神経発達症のアセスメント|心理士が選ぶ!公認心理師試験で押さえておきたいキーワード

神経発達症のアセスメント

発達障害には、認識の発達全般に遅れが出る知的障害、対人関係の全般の遅れがでる自閉スペクトラム障害があります。また、特有の発達領域に遅れをみせるものとして、注意欠如多動症や限極性学習障害、チック症などがあります。DSM-5やICD-11では、神経発達症に分類されています。

発達障害のアセスメントは、大きく3段階に分けられます。

 

①初期面接

初期面接では、特異的な発達歴の聴取や観察評価を行います。子どもの行動チェックリスト(CBCL)や、ユースセルフリポート(YSR)、WAISやWISCなどの知能検査を行うこともあります。神経発達症の主症状のみでなく、子どもの情緒や行動の問題を広範囲に評価することが必要となります。

 

②併存診断・鑑別診断

発達歴や認知機能の得意・不得意、現在の生活や行動の問題を把握した上で、併存疾患の把握や鑑別を行うことが求められます。脳波や脳画像の検査、心電図、血液検査により、神経疾患や身体的疾患を除外する必要があります。

自閉スペクトラム症に多くみられる感覚の問題には、神経線維腫症や聴覚障害、視覚障害、栄養失調などが関わります。また、ADHDの鑑別となる代表的な疾患には、てんかんや脳腫瘍、甲状腺機能障害が挙げられます。

 

③各神経発達症に関するアセスメント

鑑別診断や併存する症状を把握した後は、発達障害をもつ一人ひとりの全体像をアセスメントしていく必要があります。例えば、感覚刺激に対する反応を精査するためのSP感覚プロファイルや半構造的な観察指標ADOSなどの検査を用いて、個々の特性をより深く多面的に見立てることができます。

予想問題を解いてみよう!

問題:神経発達症のアセスメントについて、正しいものを2つ選択せよ。
①自記式検査ツールPARS-TRは、「身体的訴え」や「不安・抑うつ」など8つの症候群尺度と、内向尺度・外向尺度の上位尺度から構成される。
②限極性学習障害の診断には、WISCやDCDQ日本語版、PUTSなどのテストバッテリーが望ましい。
③CAARSは、ADHDの診断の際に用いられることが多く、注意不足や多動性、衝動性を測定できる。
④K-ABCⅡの対象年齢は2歳6か月から18歳11か月であり、認知尺度と学習尺度を測定することができる。
⑤遠城寺式発達検査表では、母親の観察に基づく報告からの発達診断を行い、発達指数は算出しない。
 

解答を見る

正答:③・④
①✖:問題文は「ユースセルフリポート(YSR;Youth Self Report)」の説明。PARS-TR(Parent-interview ASD Rating Scale)は養育者からの聞き取りによって評価する検査ツール。
②✖:WISCでは、学習障害の精査はできないとされている。また、DCDQ(Developmental Coordination Disorder Questionnaire)日本語版は発達性強調運動症の評価ツール、PUTS(Premonitory Urge for Tics Scale)はチック症に関するスケールである。
③〇:正しい。CAARS(Conners’Adult ADHD Rating Scales)は、ADHDの診断ツールとして、成人を対象に診察場面以外の情報を聴取することができる。
④〇:正しい。K-ABCⅡでは、子どもの認知能力と学力の基礎となる習得度が測定できる。
⑤✖:問題文は「津守式乳幼児精神発達検査」の説明。遠城寺式では、発達・進歩を折れ線グラフで把握する。

 
【参考文献】
・市河茂樹編.外来で診る子どもの発達障害:どこまでどのように診るか?.東京,羊土社,2021,296p.
・樋口隆弘.子どもの発達検査の取り方・活かし方:子どもと保護者を支えるために.東京,誠信書房,2021,142p.
・尾崎康子ほか.知っておきたい発達障害のアセスメント:乳幼児期における発達障害の理解と支援.京都,ミネルヴァ書房,2016,304p.

 (構成・文/国立成育医療研究センター 心理療法士/公認心理師・臨床心理士 後藤結子)

 
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