心理職で働く|学生相談室で働く公認心理師の1日

さまざまな職場で活躍している公認心理師の1日を紹介します。

学生相談室とは

学生相談室とは、大学・大学院 に在籍する学生の相談を受ける専門部署です。学生がより良い学生生活を送ることができるように設置されています。

相談内容は、「友人ができない」「家族とけんかをしてしまった」「SNS上でトラブルが起こった」といった対人関係の悩み、「講義についていけない」「勉強の方法が分からない」といった学業関係の悩み、「眠れない」「不安が続いて落ち着かない」「生きている意味が分からない」といった心理・健康上の悩み、「自分がどのような仕事に就きたいか分からない」「休学・退学を考えているがその後が不安」といった進路関係の悩みなどがよくあります。

学生相談室で働く公認心理師は、学生が悩みや迷いに直面した際に、知識や経験を活かし、今より少しでも気持ちが楽になるように、一緒に考える役割を担っています。

明確な悩みや困りごとがなくても、日々の出来事を話すことで考えを整理したり、自己理解が深まったりするなどの効果があります。本学の学生相談室は、自分のことを安心して話せる場として機能しています。

学生相談室の心理師の1日の仕事の流れ

本学の学生相談室には、常勤心理師1名(筆者)のほか、非常勤心理師が2名在籍しています。

日々の仕事の流れは流動的です。ある1日の大まかな流れを紹介します。

9:00 出勤・面接準備
9:30 ミーティング(非常勤心理師出勤)
10:00 学生面接(1名)
11:00 記録作成・事務作業
11:30 昼休み
12:30 学生面接(1名)
13:20 記録作成・事務作業
14:00 ミーティング
15:00 学生面接(非常勤心理師退勤)
15:40 記録作成・統計処理
16:00 メールチェック・返信
16:30 会議出席
17:00 退勤

なぜ学生相談室で働いているの? やりがいは?

筆者が学生相談室で働いているきっかけは、大学院在籍中に、今も大変お世話になっている当時の指導教官から声をかけてもらったことです。

そこから10年以上、学生相談を辞めずに続けています。すべての学生が、悩みや迷いを抱えながらも学生ならではの魅力をもっています。日々頑張っている彼らが少しでもほっとでき、楽になる場所と時間を提供できることに大きなやりがいを感じています。

同僚の心理師にもたずねました。

安部カウンセラー
もともとは非常勤心理師として病院で働いていましたが、医師から紹介され、本学で学生相談室を開室する際に入職しました。学生相談の仕事を続けているのは、学生が環境の変化などで生きにくさを抱えていても、立て直していく力に魅力を感じたからです。

中里カウンセラー
大学教員からの紹介で入職しました。大学という限られた環境の中で学生たちはみんな頑張っています。相談に来た学生が自分一人で問題解決できるようになるのを見ると、自分の役割を果たすことができたと、やりがいを感じます。

2人の意見にもあるように、他者からの紹介によってこの仕事に就くことも多いようです。日々の人間関係を大事にすることは、心理職にとってとても大切ですね。

学生相談室における心理職のニーズ

大学・大学院には多様な学生が在籍しています。誰にでも悩みはありますが、障害や病気を抱え、学生生活においてさまざまなサポートを必要とする学生も少なくありません。

このような入学生の多様化に伴い、学生からだけではなく教職員・保護者からのニーズも年々高まっているように感じます。利用者から、「学生相談室があって良かった」と思ってもらえるように、日々情報や知識をアップデートするなどわたしたちの努力も欠かせません。

課 題

大きく2つあります。

1つ目は、困りごとがあるにも関わらず相談室を利用しない学生さんに向けて、学生相談室の存在や役割をもっと知ってもらうことです。

筆者の勤務する大学では、パンフレットを配布したり、講義の中で紹介したりして、学生相談室がどういうところかを知ってもらう機会を設けています。しかし、困っている学生全員が相談に訪れるわけではありません。認知度をさらに上げる取り組みが求められます。

2つ目は、卒業後の支援が途切れてしまうことです。

情報の不足やシステム上の問題で、大学から他機関につなぐことがうまくいかないケースもあります。今後、ソーシャルワーク的な機能をより充実させる必要があります。

学生相談室で働きたい学生へ

学生相談室で働く心理師を目指すには、まずこの仕事や人の心に興味を持ちましょう。そして、たとえば青年期の発達課題や集団心理、コミュニケーションの方法などについて知識を深めたり、就職について情報を収集したりするなど、学生の年代ならではの問題の背景や課題を理解し、対応できるようにすることが重要だと思います。

この仕事は、学生と心理師の、互いの信頼関係があって成り立つものだと日々痛感しています。筆者もまだまだ勉強途中です。ぜひ一緒に頑張りましょう。

一緒に働く心理師からもメッセージをもらいました。

安部カウンセラー
この仕事は、病院などさまざまな勤務経験を活かせます。いろいろな経験を積んでください。

中里カウンセラー
学生相談室の心理職ならではのやりがいがきっと見つかると思います。一緒に頑張りましょう。

 

(文/北翔大学 学生相談室 公認心理師・臨床心理士 管藤美穂)

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