公認心理師クイズ(3)多職種連携・地域連携
- 2018-8-3
- 国家試験対策
Q1.多職種連携について正しいものを選択せよ。
A.公認心理師の業務では、守秘義務の観点から他職種との連携は禁止されている
B.公認心理師の業務では、福祉分野との連携は想定されていない
C.公認心理師の業務では、さまざまな職域の心理士とのみ連携が想定されている
D.公認心理師の業務では、保健医療、福祉、教育等の関連する分野との連携が求められる
A1.回答を見る
Dが正解です。公認心理師法第42条第1項に「公認心理師は、その業務を行うに当たっては、その担当する者に対し、保健医療、福祉、教育等が密接な連携の下で総合的かつ適切に提供されるよう、これらを提供する者その他の関係者等との連携を保たなければならない」と定められています。したがって、さまざまな分野について精通しておく必要があり、幅広い関心や生涯にわたり学び続ける姿勢が必要となります。
Q2.代表的な多職種連携を理解するために参考になるモデルとして適切なものを選択せよ。
A.生物心理社会モデル
B.心理社会経済モデル
C.法律心理福祉モデル
D.生理精神社会モデル
A2.回答を見る
Aが正解です。生物心理社会モデルとは、1970年代に、当時の医学において主流だった生物学的要因を重視する介入モデルに心理・社会的な要因も加え、より効果的な介入をめざすために考えられたものです。複数の要因を捉えようとするこのモデルは、同時に多職種による連携の必要性を訴えるもので、そのため、多職種連携を重視する公認心理師においては、このモデルを理解するとよいとされています。
*参考文献:公認心理師 現任者講習会テキスト 2018年版(一般財団法人日本心理研修センター監修)
Q3.多職種連携として連携する職種の代表的な例として誤っている組み合わせと選択せよ。
A.医師 ― 看護師 ― 精神保健福祉士 ― 言語聴覚士 ― 理学療法士
B.臨床心理士 ― 臨床発達心理士 ― 認定心理士
C.児童福祉司 ― 社会福祉士 ― 教員 ― スクールカウンセラー
D.中小企業診断士 ― 園芸装飾技能士 ― 航空整備士 ― キャリアコンサルタント
A3.回答を見る
Dが正解です。連携する職種の代表的な例として、生物心理社会モデルをもとに、生物「医師、看護師、精神保健福祉士、言語聴覚士、理学療法士」、心理「公認心理師、臨床心理士、臨床発達心理士、認定心理士」、社会「児童福祉司、社会福祉士、教員、スクールカウンセラー、産業カウンセラー」等が想定されています。
*参考文献:公認心理師 現任者講習会テキスト 2018年版(一般財団法人日本心理研修センター監修)
Q4.公認心理師の多職種連携として正しいものを選択せよ。
A.公認心理師が担当している要心理支援者に主治の医師があるときはその指示を受けなければならない
B.公認心理師が担当している要心理支援者に主治の医師があったとしても、公認心理師は自身の判断で要心理支援者の支援を行うべきである
C.公認心理師が担当している要心理支援者に主治の医師があるときは、公認心理師が要心理支援者への支援に苦慮する場合に限り、その指示を受けることができる
D.公認心理師が担当している要心理支援者に主治の医師があるときは、公認心理師が要心理支援者への支援に苦慮する場合に限り、助言を求めることができる
A4.回答を見る
Aが正答です。公認心理師法第42条第2項に「公認心理師は、その業務を行うに当たって心理に関する支援を要する者に当該支援に係る主治の医師があるときは、その指示を受けなければならない」と定められています。
医療行為が前提となって主治の医師があるときは、チーム医療の観点からも、生物心理社会モデルの観点からも、主治の医師の治療方針を公認心理師が承知し、尊重するという意味で、その指示を受けることが求められます。
Q5.地域連携について正しいものを選択せよ。
A.公認心理師が業務を行う地域において、関連分野の関係者等と日常的に連絡を取り合うのは必要なことである
B.公認心理師が業務を行う地域において、関連分野の関係者等と日常的に連絡を取り合うことは禁止されている
C.要心理支援者の状態が危機的な場合に限り、公認心理師は業務を行う地域において、関連分野の関係者等と連絡を取り合ってよい
D.要心理支援者への対応に苦慮する場合に限り、公認心理師が業務を行う地域において、関連分野の関係者等と連絡を取り合うことが求められる
A5.回答を見る
Aが正解です。要心理支援者に対して、関連する分野からの支援が総合的かつ適切に提供されるように、対象者にとって身近な機関や団体である地域の関係者等との連携が必要です。そのような地域にあるリソースを要心理支援者のために適切に活用するには、公認心理師が業務を行う地域において、これらの関連分野の関係者等と常日ごろから連絡を取り合う必要性があります。
*参考文献:公認心理師 現任者講習会テキスト 2018年版(一般財団法人日本心理研修センター監修)
Q6.多職種および地域連携に必要なこととして正しいものを選択せよ。
A.連携の共通言語として心理的アセスメントの情報共有が欠かせない
B.要心理支援者への対応に苦慮する場合においても、公認心理師が業務を行う地域において、関連分野の関係者等と連絡を取り合うことはプライバシー保護の観点から避けなくてはならない
C.公認心理師が担当している要心理支援者に主治の医師があったとしても、公認心理師は自身の判断で要心理支援者の支援を行うべきである
D.連携において公認心理師が行った心理アセスメントの情報を共有することは禁止されている
A6.回答を見る
Aが正解です。法律で定められている多職種連携及び地域連携を的確に行うためには、秘密保持義務を保ちつつ、関連分野の関係者と情報を共有するだけでなく、その時点での心理的アセスメントを共有することが重要です。