アレキシサイミア(失感情症)|心理士が選ぶ!公認心理師試験で押さえておきたいキーワード

アレキシサイミア(失感情症)

アレキシサイミア(失感情症)は、シフネオス(P. E. Sifneos) らによって1970年代に提唱された性格特性の概念です。自分の感情を認知、自覚したり、表現したりすることを苦手とし、想像力や空想力の欠如を示す特性のことをいいます。

アレキシサイミアは、心身症発症の仕組みの説明に使われる概念ですが、近年は共感能力、衝動性の欠如など、ストレス対処や対人関係との関連が研究されています。研究者のなかで、アレキシサイミアは以下の特徴を持っているとされています。

①自分の感情がどのようなものであるかを言葉で表したり、情動が喚起されたことによってもたらされる感情と身体の感覚とを区別したりすることが困難である。
②感情を他人に言葉で示すことが困難である。
③貧弱な空想力から証明されるように、想像力が制限されている。
④自己の内面よりも、刺激に結びついた外的な事実へ関心が向かう認知スタイルである。

アレキシサイミアの傾向がある人は、感情はありますが、それに気付き、言葉で表現することが苦手なため、知らぬ間にストレスを溜めてしまいます。そしてそのストレスが身体症状として出現し、心身症へとつながるのです。

アレキシサイミアの治療としては、まず身体の不調の改善を行い、ストレスを緩和していくためのリラクゼーション(呼吸法、自律訓練法、漸進的筋弛緩法など)を行うことで、心身の緊張を緩めたり、不調を改善していきます。

予想問題を解いてみよう!

アレキシサイミアの特徴に当てはまらないものはどれか。
①自分の感情を言葉にするのが苦手である。
②空想力に欠けるため、想像力に制限がある。
③空腹感や疲労感などの身体のサインに気付かず、状態が悪化して初めて気付く。
④客観的に考えることが不得意である。
 

解答を見る

正答:③
③はアレキシソミア(失体感症)についての説明である。アレキシサイミア(失感情症)の説明は他の3つの選択肢が当てはまる。

 
【参考文献】
1)ダイアナ・フォーシャ.人を育む感情と愛情の力:AEDPによる感情変容の理論と実践.岩壁茂ほか監訳.東京,福村出版,2017,480p.
2)山内俊雄・鹿島晴雄.精神・心理機能評価ハンドブック.東京,中山書店,2015,528p.
 
(文・構成/公認心理師・臨床心理士 南 舞)
 
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