ギャンブル障害(gambling disorder)|心理士が選ぶ!公認心理師試験で押さえておきたいトレンドキーワード

ギャンブル障害(gambling disorder)

ギャンブル行動とは、「結果が予測できず、偶然によって決定されるものに対して、金銭や金品などの財物を賭け、その結果によって賭けた財物のやり取りを行う」ことをいいます。ギャンブル障害とは、そのギャンブル行動を、やめたくてもやめられない状態のことです。

1980年、DSM-3の「衝動性コントロールの障害」のカテゴリーに、初めて「病的賭博」として掲載されました。DSM-4-TRでも、「その他どこにも分類されない衝動制御の問題」のカテゴリーに掲載され、「病的賭博」は衝動性と自己の行動制御の問題と考えられていました。しかし物質依存と同様に、特有の症状が示され、脳内報酬系の問題とされる研究が蓄積されてきたことも影響し、2014年に改訂されたDSM-5では、「物質関連障害および嗜癖性障害群」のカテゴリーに「ギャンブル障害」として掲載されました。

主な国内のギャンブル障害への対策動向は、2016年に成立したIR(カジノを含む統合型リゾート)推進法の付帯決議で、ギャンブル障害への対策が求められたことから始まります。2018年には、ギャンブル等依存症対策基本法が施行され、国や地方自治体などの責務や基本的施策などが規定されました。また、ギャンブル等依存症の定義を、「ギャンブル等(法律の定めるところにより行われる公営競技、ぱちんこ屋に係る遊技その他の射幸行為をいう。)にのめり込むことにより日常生活又は社会生活に支障が生じている状態」としました。

※正式名称は「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」

予想問題を解いてみよう!

問題:ギャンブル等依存症対策基本法について、誤っているものを1つ選べ。
①2016年に IR(カジノを含む統合型リゾート)推進法が成立し、2018年にギャンブル等依存症対策基本法が施行された。
②国や地方自治体、関係事業者、国民等の責務が定められた。
③ぱちんこ屋に関わる遊技は、遊技であるためにギャンブル等依存症の定義に該当しない。
④基本的施策には、「教育の振興等」や「医療提供体制の整備」「実態調査」などが含まれる。
 

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正答:③
①2016年にIR(カジノを含む統合型リゾート)推進法が成立し、2018年にギャンブル等依存症対策基本法が施行された。
②国・地方公共団体・関係事業者・国民・ギャンブル等依存症対策に関連する業務に従事する者への責務が規定された。
③ ぱちんこ屋に関わる遊技は、ギャンブル等依存症の “等” のなかに含まれている。
④基本的施策として、「教育の振興等」「ギャンブル等依存症の予防等」「医療提供体制の整備」「相談支援等」「社会復帰の支援」「民間団体の活動に対する支援」「連携協力体制の整備」「人材の確保等」「調査研究の推進等」「実態調査」が規定された。

 
【参考文献】
1)木戸盛年.“16 ギャンブル” .アディクションサイエンス:依存・嗜癖の科学.宮田久嗣・高田孝二・池田和隆・廣中直行編著.東京,朝倉書店,2019,160-7.
2)松本俊彦.〈各論〉米国DSM-5における精神疾患:物質関連障害および嗜癖性障害群.臨床精神医学.43(増刊号),2014,166-72.
 
(文・構成/臨床心理士・公認心理師 阿相周一)
 
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