公認心理師クイズ(6)心理学に関する実験
- 2018-8-6
- 国家試験対策
Q1.統制群を設けない事前事後比較実験のことを1群事前事後テストデザインと呼ぶが、この別称として適切なものを選択せよ。
A.準実験
B.偽実験
C.本実験
D.純実験
A1.回答を見る
Bの偽実験が正解です。もしくは、疑実験と記す場合もあります(村井潤一郎.Progress & Application心理学研究法.サイエンス社,2012.ほか)。ちなみに、実験計画法において2群を設定できても無作為に割り振ることができていない場合を不等価2群事前事後テストデザインと呼び、これは準実験とも呼ばれています。実験法では、独立変数の操作と無作為割り付けは必須要件ですが、偽実験と準実験はそれぞれの要件を十分に満たすことができません。
Q2.対応のある実験計画法において複数の条件を経験する順序を無作為にすることで、順序効果を相殺することができるが、「半数の研究参加者はA条件→B条件の順、もう半数はB条件→A条件の順」というように系統的にバランスをとることで順序効果の相殺を試みる方法を何と呼ぶか。適切なものを選択せよ。
A.カウンターバランス
B.折半法
C.ランダム・サンプリング
D.ランダム・アサインメント
A2.回答を見る
Aのカウンターバランスが正解です。ランダム・サンプリングとは、主に推測統計において母集団から標本を無作為に抽出することを指します。ランダム・アサインメントとは、主に実験計画において、複数の群に実験参加者を無作為に割り付けることを指します。ちなみに、折半法とは主に心理尺度や検査の信頼性の一側面である内的整合性の検証として用いられることがある方法です。
Q3.要求特性への対処法として、研究参加者にうそ(表向き)の実験目的(カバー・ストーリー)を説明することを何と呼ぶのか。適切なものを選択せよ。
A.ディセプション
B.デブリーフィング
C.説得テクニック
D.虚偽実験
A3.回答を見る
ディセプションが正解です。ちなみに、ディセプションのような手続きを用いることは、倫理的な問題をはらむことから、少なくとも実験後に「種明かし」として真の実験目的を告げることが必要とされています。それをデブリーフィングと呼びます。
Q4.実験計画法の説明として誤っているものを選択せよ。
A.実験計画法において、従属変数の数値の違いが本当に独立変数によってもたらされたものであるのかの程度を内的妥当性という
B.実験計画法において、その研究で得られた事実が、他の研究参加者や場面においても一般化できるかどうかの程度を外的妥当性という
C.実験計画法において、従属変数の数値の違いが本当に独立変数によってもたらされたものであるのかの程度を内的整合性という
D.実験計画法においては、内的妥当性は外的妥当性よりも優先されるべきものである
A4.回答を見る
Cが正解です。内的整合性は心理尺度や検査における信頼性を構成する指標の一つです。内的整合性とは、尺度・検査がその内部で同一の特性の測定を実現できているのかを指す概念で、折半法やクロンバックのα係数で検証されてきました。
ちなみに、実験法の目的は因果関係を検証することですので、独立変数以外の変数が従属変数に影響しているかもしれないこと(つまり、内的妥当性が低いこと)は、外的妥当性が低いことよりも、より望ましくありません。