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アンケート概要
こころJOBメールマガジンならびにSNSにおいてアンケートへ協力を依頼した。
・回答対象者…心理職
・有効回答数…93
・回答期間…2024年2月2日~17日
※自由記述欄の回答においては、抜粋、一部改変しております。
Q1 現在の勤務されている領域をお教えください(複数回答可)。
Q2 SNSアカウントを持っていますか。
Q3 日常的にもっとも使っているSNSは何ですか。
Q4 SNSの目的は何ですか(複数回答可)。
Q5 「Q3」で回答したアカウントでは下記のいずれを使用されていますか。
Q6 「Q3」で回答したアカウントでは、プロフィール欄や投稿内容において心理職ということを明らかにしていますか。
◇表:アカウントの匿名/実名と、心理職と開示しているか
心理職を公表 | 心理職を公表しない | |
実名 | 11 | 16 |
実名ではないが本人の特定が可能 | 3 | 8 |
匿名(本人の特定はできない) | 11 | 28 |
Q7 「Q6」の理由を教えてください。
【明らかにしている】
・信頼性の担保。
・発言の根拠としての立場を明らかにしたほうが良い。
・心理職として情報を得たいため。
・責任ある発信を心がけている。
・メンタルサポートの必要な人が見つけやすいようにしている。
・心理士の同僚・仲間がいて、そのつながりのコメントを行うため。
【明らかにしていない】
・相談内容と関連していると取られないようにするため
・クライアントとつながらないため。
・職種柄、あまり公にしないほうがよいと思うため。
・開示する必要がないから
・情報収集のみのため、明らかにする必要がないと判断している。
・何かあった際にほかの心理職の方々に迷惑をかけないため。
Q8 SNSを通じてのポジティブな経験があれば教えてください。※おもにtwitter利用者
・いろいろなの人たちの考えがわかる。
・心理関係の方をフォローしたり、閲覧したりすると関連情報が出てくるため、必然的に意図せずとも心理の知識や職業情報、心理界隈でのトレンドなどが入ってくる。自分だけではなかなか見ることのできない情報に触れることができている。また、そこから興味を広げられることもある。
・自分の考えを呟いた内容に多くのいいねやリツイートをもらって、共感してもらえた気持ちになった。
・セミナーなどの情報を得ることができた。学びにつなげることができた。
・転居先の心理士の方と知り合いになれた。
・知人の知人から連絡があり、交流が始まった。
・発信した内容で、同業の研修機会を増やすことができた。
・試験対策、合格してからの働き方など、対面の交流につながり、大切な友人ができました。
・意外な人と交流できた。
・著名な先生からダイレクトメッセージが届いた。
・仕事を見つることができた。
・同じような壁にぶつかっている仲間と出会えた。
Q9 「Q6」の理由を教えてください。※おもにtwitter利用者
・Gルート問題など、論争や批判を見て嫌な気持ちになった。真偽不明の情報で不安になった。
・知人はSNSのアカウントを攻撃性のあるクライアントに特定されて困っていた。
・DMで怪しいビジネスの勧誘がきた。
・読みたくない投稿も関連するものとして提示してくるので、精神的につらかった。
・他人の投稿ではあるが、そのコメントでいきすぎた批判が行われているのを見た。
Q10 心理職とSNSに関して、疑問やお悩み、質問があれば教えてください。
・「啓蒙」を目的とした発信は意味があるが、情報がひとり歩きすることがあるように感じる。また、公的な資格を持たない「〇〇カウンセラー」が無責任な発信をしている場面を目にするので、そういった状況を心理士として見逃してよいのかと自問することがある。
・自分の関わるケースをアップしている。もちろん匿名性は守られているが、SNSで投稿するのは心理職としてどうなのか。
・実名でSNSを運用している現場の心理職は、クライエントに一方的に知られている状態があるかと思うが、困ったことはないのか。
・いずれは相談業務に結びつけたいと考えているため、発信の仕方など、どうすればよいのか考えている。
・心理職とつながれば役に立つだろうなと思う反面、SNSでまで仕事のことを考えたくないという気持ちもある。
・情報収集のみに使用しているので悩みはないが、これ以上の使い方をすると、SNSに使用する時間が増えるのは自分の生活に合っていないと思う。
・手軽なTwitterでは表現しきれないことも多く、誤解を生みやすいという印象。情報発信も大事だが、専門家であるがゆえに、中途半端な情報を流すわけにもいかない。一方、一般の方々に届きやすいのは、分かりやすく明確なものだという葛藤が常にある。
・倫理観のない方が多いと感じる。検査や相談内容などを投稿している方が意外なほど多く驚いている。
・心理のことについて間違ったことは発信できない。このツイートをカウンセリングを受けている方が見たらどう思うかということを考えると、なかなか自由に発信できない。
・不特定多数に対して自ら発信する怖さを感じるので、一歩前へ踏み出せない。
・どの程度個人的なことを公開するのか迷いながらSNSを利用している。
・SNSのタグ付けや公開コメント機能などで開示しても差し支えない情報だとは思いつつも、本来自分が公表したいと思う内容でないものが第三者に暴露されてしまうことがあるため、積極的には利用しにくい。
・学術団体でガイドラインを整備して、大学教育の段階から適切な使い方を教える必要があると思う。
(2023年4月27日更新)
(編集・構成/こころJOB編集室)